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Shoemaking

私達が手にする商品は、独りでに生まれたかのようにいつも完成された姿をしていますが、実際にはそれを作るための道具があり、時間をかけて作った人がいます。

このページでは靴作りの道具とその使い方を説明することで、靴が完成するまでの手間暇を感じていただくと同時に、靴作り、ひいては物作りの道標になることを目指しています。

ポンポン

ポンポンは、製靴に使用されるハンマーのこと。大小種類があり、それぞれ用途や場面によって使い分けます。小さいものは、アッパー(甲革)作成時に使用します。

重なったパーツ同士の境目を叩いて平らにしたり、履き口部分の皮革パーツを折り曲げたりする作業に使用します。大きいものは、釣り込み時やソール取り付け時(底付け)に使用します。

釣り込み時は、アッパーを木型に沿わせるためや、釣り込み時にアッパー下部(釣り込みしろ)を平らにするために叩きます。
底付け時はソール側からポンポン叩いたり、底部を馴染ませるために柄を擦りつけるように使用したりすることもあります。アッパーを叩くときに革を傷つけないように、部材に当たる部分は研磨しておきます。

ウマ

ウマは、革の縫い目を内側に隠す「縫い割り」時に使用する台のこと。 縫い合わせた革を開いて平らになるように、ウマの上にかぶせて表裏両方からポンポンで叩きます。
革をウマの曲線に沿わせて叩くことで、革を縫い合わせただけでは平面的なアッパーを立体的に仕上げていきます。 主に踵部の縫い割り時(ケツ割り)に使用されますが、ブーツなどデザインによっては他のアッパー部分に使用されることもあります。

ワニ

ワニは、アッパー(甲革)を木型に固定する「釣り込み(吊り込み)」時に使用するペンチのこと。主に手作業での釣り込み(手釣り)で使用しますが、機械で釣り込む場合でも左右(足幅方向)の処理に使用することもあります。
ペンチ部分でアッパー(甲革)を掴んで、ハンマー部分を支点にテコの原理で引っぱったり、ひねったりしながら木型に密着させます。 ハンマー部分で革を叩く場合もあるので、革を傷つけないよう研磨して綺麗な状態にしておきます。 持ち手の先が二股に分かれており、釘抜きとして使用することもできます。

イチキリ(市切)

イチキリは、縫い合わせた革の不要な部分を切り取る刃物のこと。 先端がV字になっており、間に革を通すようにして使用します。
表面から裏面がはみ出るように縫い合わせた後、縫い糸を切らないように注意しながらはみ出た部分(さらいしろ)を切り取って、裏地が見えないように処理する際に使用します。 主に靴紐を通すための穴(アイレット)周辺のパーツや、履き口の縫い合わせ部分の処理に使用します。
刃の切れ味を維持するため、専用の三角砥石を使って定期的に研磨します。

革包丁

革包丁は、皮革を切断することに特化した片刃の刃物のこと。 皮革を切断する以外にも、漉いて革の厚みを調整したり、革の角を削ぎ落としたり(ヘリ落とし)するために使用します。
製靴では、アッパーを大まかに裁断する場合(粗断ち)やレザーソールの切り出し、釣り込み後の底部の処理にも使われます。 効率よくソールを取り付けるため、バフ研磨の前処理として、革包丁で底部を削ぎ落としてなめらかにするために使用します。
曲線の裁断など繊細な作業のしやすさや、手入れの容易さから、あえてカッターで代用する職人もいます。

コンパス

印付けや測定作業に使用する皮革用のコンパスです。 皮革の加工に必要な位置決めの際に、材料の表面や設計図(パターン)の印付け(ケガキ)として使用します。
手動で幅を調節するものや、スプリングと固定ネジで幅を微調整できるものがあります。 製靴では、アッパーのパーツ同士が重なり合う部分(貼りこみしろ)や、革を縫い合わせた後から切り取って処理する部分(さらいしろ)など、一定幅の平行線を引きたい場合に使用します。

銀ペン

レザークラフトで使用される銀色インクのボールペンのことを言います。 コンパスと同様に、裁断や縫製など皮革の加工に必要な位置決めの際に、皮革の表面の印付けや線を引くために使用します。
靴に使用されることの多い黒や茶といった暗色の皮革に対して視認性が高く、レザークラフトには欠かせない道具です。 専用の消しゴムやクリーナーを使えば、書いた線を消すことも可能です。

目打ち

目打ちは、手を使って穴を開ける革用の千枚通しのことを言います。 製靴では、主に印付けやシューレースを通すための穴(アイレット)を開ける際に使用します。 穴を開ける以外にも、細い先端を生かして革の角の処理や狭い部分の糊付けなど、細かい作業に使用することがあります。
また、ソールを剥がす時、釘やタックスを浮かして抜きやすくする隙間を作るために使用することもあります。

タックス

タックスは、アッパー(甲革)を木型に釣り込む際に使用する釘の1種。 木型に釣り込んだアッパーを固定するために使用します。 普通の釘より柔らかく、曲がりやすいのが特徴。
底部に鉄板が入った木型に打ちつけると、タックスの先端が曲がってフック状に変形して しっかりと固定されるようになっています。 革の厚さや用途に合わせて数種類のタックスを使い分けます。
ほとんどの場合は製靴の工程の途中で破棄されますが、意匠として残される場合もあります。

ヒートガン

ヒートガンは、工業用の強力な熱風を出す工具のことを言います。 製靴では、ソールを接着する際に、接着剤を加熱するために使用します。 接着剤を2回塗布してから乾燥させ、ヒートガンで接着剤を〝沸かして〟活性化させることで、ソールをしっかりと接着することができます。
反対にソール交換や修理の場合は、加熱して接着剤を弱めて剥がしやすくするために使用することもあります。 高温の風が噴射されますので、火傷への注意が必要です。

セミ

セミは、バチ型(扇型)のクリップのこと。 裁断時に型紙と革を挟んだり、縫製時に革同士を挟んだりして固定するために使用します。
製靴専用ではありませんが、口が平らで素材を痛めにくく、踵部や履き口の縫製など、ぴったり合わせて縫製する際に重宝します。 固定部が膨らみにくいので、確実な作業が可能になります。

溝掘り(ステッチンググルーバー)

溝掘りは、革の端から均等な幅で線を引いたり、溝を掘ったりするための道具のこと。 製靴では、主に底縫いの下処理時に、本体(アッパー)とソールを縫い合わせる糸(出し縫い糸)のための溝を掘るために使用します。
出し縫い糸を溝に収めることで、地面との摩擦の影響を受けにくくなり、出し縫い糸が切れたりほつれたりすることを防ぎます。 本体の中央部のネジを緩めることで、革の端からの幅の調節が可能になります。 レザーソールを木型に合わせて、出し縫い糸の位置を決めてから溝を掘っていきます。

穴あけポンチ

穴あけポンチとは、素材に穴をあけるための円錐形の道具のこと。 素材の穴を開けたい場所に垂直に合わせ、ヘッド部をポンポンで叩いて使用します。 硬度と耐久性の高い炭素鋼などの材質でできています。 製靴では、主に靴紐を通すための穴(アイレット)や爪先のブローギング(穴飾り)に使用します。

ポンチ打ち抜き台

ポンチ打ち抜き台は、穴あけポンチを使用する際に素材の下に置く台のことです。ポンチの刃を傷めずに、きれいに穴が抜くために使用します。
台の素材は様々で、塩化ビニールやポリエチレンといった合成樹脂や、樫などの木材で作られたものがあります。 ハンマーの力を逃さないための適度な硬さと、ポンチの刃を傷めないための適度な弾力が必要です。 鉄敷など、固くて安定したものを下に敷いて使用します。

鉄敷

鉄敷は、鋳鉄製または鋳鋼製の作業台のこと。 ポンチ打ち抜き台の下に置くことでハンマーの力を効率よく伝えることができ、安定したきれいな穴を開けることができます。
アッパーの重なったパーツ同士の境目や、縫製部を叩いて平らにする場合は、ポンチ打ち抜き台を使わずに単体で使用することもあります。

ヘリ落とし

ヘリ落としは、革の角を削ぎ落として裁断面(コバ)に丸みをつけるための道具のこと。革の裁断面に当てて、一定の力で滑らせて押し切るように使用します。
刃先が安定した角度で当たるように、また素材に刃の跡がつかないように先端がゆるやかな弧を描く形状になっています。製靴では、主にレザーソールの銀面の角を削ぎ落とす「ヘリ落とし」で使用します。

溶剤

溶剤は、物質を溶かすのに用いる溶液のことです。 製靴では、爪先部のアッパーとライニングの間に挿入する芯材(先芯)を溶かすために使用します。
先芯にはハード芯とソフト芯の2種類ありますが、ハード芯の場合に溶剤を使用します。 溶剤で溶かしてやわらかくなったハード芯を、爪先部のアッパーとライニングの間に挿入して釣り込むことで成形します。
ハード芯は釣り込みやすく、ソフト芯は釣り込みにくい特徴があります。先芯以外にも、接着剤のついた刷毛を溶剤に浸して、毛が固まるのを防ぐために使用することもあります。

接着剤

接着剤とは、2つの物質をつなぐために使われる物質のこと。 製靴では、パーツや素材によって耐久性の異なる数種類の接着剤を使い分けます。 アッパー加工用に使う接着剤は、靴の見た目にも影響するため、接着力が弱く跡が残りにくいものを選びます。
主に縫製前に素材同士を軽く固定する際に使用します。靴本体とソールの底付け用に使う接着剤は、確実な接着が求められるため、接着力が強く耐久性にすぐれたものを選びます。

プライマー

プライマーとは、下塗り塗料の総称のこと。 製靴では、接着剤の前に塗布することで素材同士の下地を作り、結合力を補強するために使用します。
プライマーを下塗りすることにより、接着剤の密着度を高めて素材同士の馴染みをよくする効果があります。接着剤と併用することで、異素材の接合が可能になります。