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新しいロゴ「BO」のこと

一野篤

「典型的なスニーカー」という言葉から思い浮かぶイメージがあるとして、僕の場合それはブルーオーバーのマイキーなのだけど、それは元々自分の中に典型的なスニーカーのイメージがあったからではなく、マイキーが登場してはじめて知覚した新しい感覚だったと思う。
 典型的。もう少しデザインっぽい用語でいうならアノニマスなもの。そこに安心感や奥ゆかしさを感じることはあっても、「新しさ」を感じることはあまりないと思う。でもマイキーの方はまるで大昔からそうだったみたいな佇まいで、そのコンセプト「新しく 変わらない。:New  unchanged.」を今も飄々と体現している。そしてこの「飄々」とした感じがとても魅力的に見えた。

そんなブルーオーバーがロゴを新しくするというのだから、なんだか重責っぽいし実際そうなのだが、代表の渡利さんからのオーダーは最初、キャップとかTシャツを作るから、そこにプリントするいい感じのロゴを作って欲しい的な軽いノリだったような気もするが、そういうと怒られるのかもしれない。
 まずは手を動かすことでしか生まれない形を探るために、とにかく一旦コンセプトを忘れ、ただ文字の形と戯れながら造形的に面白くなりそうなポイントを探っていく。「B」と「O」のたった2文字の中に、ブルーオーバーの持っている空気を纏わせてみたい。
 渡利さんも揺れていた。ブルーオーバーがどういうブランドであり組織なのか、あらためて一から問い直しているようだった。コンセプトをより概念的に表現して欲しい。「BO」という文字要素さえ要らないかもしれない。家紋のような日本的なイメージはどうか、等々のオーダーがあった。何度も打合せをして、もはや2人とも答えが分からなくなることもあった。

色んな寄り道をして、最終的には一番シンプルな初期の案に帰ってきた。こうありたいと思うブランドの姿を考えるために、どうしても必要な旅だった。おかえり「BO」。そしておめでとう。先の10年を見据えて、少し胸を張ったような、清々しい空気を纏って見えるのは親バカだからなのか。

一野篤 Atsushi Ichino

デザイナー。

京都と東京を拠点に、グラフィックを中心とするクライアントワークを行なっている。 他に、偶然とルールに基づく作品の制作、演劇ユニット“ウンゲツィーファ”の劇生、詩とそれを媒体とした物をつくるユニット“POETNIK”、デザイン・プロジェクト“rabbit hole”、など、活動は多岐にわたる。

 atsushiichino.com

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コロナ禍において、ブランドのこれからをデザイナーが綴った小冊子をサイトに連載

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