10th PROJECT:02.仕様を決める

第一回の企画会議では、10周年を象徴する特別なアイテムはblueoverの顔と言っても良いモデル「マイキー」を、10年間の繋がりで得た技術を使って特別な仕様で作り上げる過程をお伝えする、この連載。
前回、「マイキーらしさ」に重きをおくという方向性がきまりました。
二回目の打合あわせでは、みんなのマイキーのファーストサンプルにむけての詳細な仕様を決めていきます。

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「03.革と、底材」へ

「04.「サンプル」の完成」へ

人物紹介

渡利(ワタリ)
blueoverの発起人であり、デザイナー。たまの趣味は木彫り。

東(アズマ)
靴職人。blueoverの靴のサンプルなどを手掛ける。猫好き。

江川(エガワ)
blueover / structのスタッフ。冬の間、編み物にはまった。


江川
今回はファーストサンプルを作るにあたって、具体的な仕様を決めていきます。お願いします。

渡利
おねがいします

アズマ
よろしくお願いします

ソールはマッケイ? グッドイヤー?

江川
前回の話しを少しまとめると、お客様から「マイキーのソールを交換したい」という要望があるけど、スニーカーらしいセメンテッド製法ではソール交換に向かない。10周年記念の「みんなのマイキー」では、ソール交換できるグッドイヤーウェルト製法かマッケイ製法のどちらかを採用したいという話しになっていました

渡利
ですね

江川
わたしが加入したのが2016年なのでそれ以前の話しになると思うのですが…
ソール交換の要望はずっとあったんですか?

渡利
思い返せば、マルコに関してはそういった声が早くからあったね

アズマ
マルコも最初は今のマイキーと同じセメンテッドだったしね

2011年、発売当初のマルコ

渡利
マルコをビジネスシューズとしてウィークデイで使用してくれてる人も多くて、そうなるとどうしてもソールがチビテ(削れて)しまう

アズマ
当時ソール交換を希望の方には、アッパーが傷むことを了承してもらってました

江川
マイキーはスニーカーらしさを重視してセメンテッドの仕様を継続してますが、マルコではソール交換の要望に応えてマッケイ製法に仕様変更した、という経緯なんですね。ちょっと疑問なのですが、マルコのソールをセメンテッドから変更するとき、なぜグッドイヤーじゃなくてマッケイにしたんですか?

渡利
当時の工場との繋がりの中では、グッドイヤーという選択肢がなかった

アズマ
2019年に登場したフォルスはグッドイヤーだけど、それはblueoverを続けてきた中でできるようになったことなんだよね

渡利
マッケイは当時から機械を持ってる工場との繋がりもあって、実現できた。
あとは、ビジネス用途が多いマルコは軽快な履き心地のマッケイが良いと思ったのもあるね

アズマ
しっかり、どっしりの重厚感が良さのグッドイヤーは、その分中物が多いから足あたりも硬くなりますよね

渡利
価格もあがってくるしね笑
でももし、マルコのソール仕様変更のときに最初からグッドイヤーが選べたとしても、マッケイを選んだだろうね。
スニーカーブランドとしての手軽さも必要だから

江川
たしかに、マルコはシルエットこそビジネスっぽい雰囲気ですが、履き心地はスニーカーのように快適。
それを実現するためにはマッケイがよかったということなんですね

アズマ
うん、マルコは軽さも意識したモデルですよね

渡利
軽いよね。軽い。
ソールは苦労したなぁ

江川
スニーカーのように軽くて、ビジネスでも使えて、ソール交換もできる。
アップデートを繰り返してきたマルコの到達点ですよね

江川
ところで、前回の企画会議の記事の中で、マッケイ製法の解説図を書いてて再発見したことがあって。マッケイ製法って、中底とソールを「マッケイ縫い」してることを指しているのであって、更にそこにアウトソールがついてるかどうかは、「マッケイ製法」の定義には含まれてない

アズマ
そうですね。
紳士靴なんかは、靴裏を見るとステッチが見えるというか…マルコでいうところのアウトソールがついてないものも多い。マルコの場合はソールが減ってもアウトソールの交換だけで済むし、靴本体も傷みにくいです

渡利
ルンマーランドも、ミッドソールをマッケイ縫いして、アウトソールを貼り付ける製法で作ってた

江川
最初はルンマーランドのミッドソールは革でしたよね

初期のルンマーランド。ミッドソールには革を採用

江川
今でもミッドソールを革に戻してほしい!というお声をいただくこともあります

アズマ
見た目と評判は良かったけど、EVAと革の素材の相性が悪くてソール剥がれが生じる事件があって…
今は革からミクロスポンジに仕様を変更して、改善したんだけど。
その時学んだのは、材料に何を採用するかも大事だってこと

江川
マッケイ製法に関しては、blueoverはかなり色々工夫して、現在の仕様に辿りついたんですね…

現行のルンマーランド。ミッドソールはミクロスポンジに

江川
少し話を戻すと、10周年でつくるみんなのマイキーでは、「スニーカーとしてのマイキーらしさ」や「blueoverの10年間の技術や繋がりを活かす」こと、それでいて「ソール交換可能」をかなえることがテーマです。
そういう意味では、ソールはblueover培ってきた技術を活かしてマッケイ製法が適しているように思えてきました

アズマ
グッドイヤーかマッケイ、か…スニーカーとして、ならマッケイのほうが軽快さがあるよね。 見た目に関してもGYを採用してコバを出すとブーツっぽくなるし

渡利
そうだね。総合的に見てもGYより、もっと手軽に履けて、ソール交換も容易な一足にしたいし。よし、マッケイでつくろうかな!

アズマ
そうだね!

アッパーのレザーは…これから作る!?

江川
ソールが決まったので…次はアッパーについてですね!
1回目の企画会議では、クロムエクセルなどの有名レザーから、blueoverオリジナルの防水レザー、オイルレザーが選択肢にあがりました。
その中でヌバックの話しも出ましたが、わたしの中ではやっぱりマイキーは起毛革のイメージがあるんですよね~

2020AWのシーズンカラー、オールブラックのアッパーはヌバック

渡利
だよね。何回かスムースレザーでマイキー作ったこともあるけど、しっくり来るのはベロアやヌバックのマットな質感だね

江川
定番のベロア人気の根強さは言わずもがなですが、ヌバックのマイキーは限定で発売すると、いつもすぐに品薄になる印象です

アズマ
とはいえ、10周年だからこそ、老舗タンナー山陽さんの協力で完成したblueoverのオリジナルレザーを採用したい気持ちはあるよね

オリジナルオイルレザーのストック。写真に写っているのは革の裏部分

渡利
そやなぁ。うーん…

江川
うーん…

渡利
一度、オイルレザーと防水レザーで表面を起毛させた革を作ってみようかな…

江川
えっ、そんなことできるんですか!

渡利
どんな革が仕上がるか予想できないけど

江川
たしかに、ヌバックというと革の表面を起毛させたものですもんね。スムースレザーのを起毛させたら、ヌバックを作ることができるってことですね。
それができたら完璧ですが…

アズマ
一回タンナーさんと相談だね。サンプル作ってもらおう

渡利
やってみないと分からんですね

アズマ
分からんです

江川
ちょっとドキドキしますね…

マイキーのライニングは、やっぱり「いつもの」一択。

江川
お次は、ライニングですね。どうしましょうか

アズマ
今のマイキーはピッグスキン。
マルコ、フォルスはオリジナルで作った牛ステアを採用してますね

手前、マイキーのライニングはピッグスキン。奥のSHORTY.TRのライニングには牛ステアを採用。

江川
特別感を出すなら、牛ステアもありなんでしょうか…?

渡利
いや、マイキーのライニングにはわたしのスキなピッグスキン。一択ですね。
もちろん素あげで

江川
渡利さんは、20AWのインタビューでも、マイキーには牛ステアよりピッグスキン!と語ってましたね。
ほとばしるピッグスキン愛…

渡利
通気性いいし、きもちいいしね

アズマ
牛ステアと比べると、柔らかいもんね。

江川
わたしもやっぱり、ピッグスキンが「マイキーらしい」と感じます。
ライニングはすぐに決まりましたね笑

アズマ
早かったね笑

江川
ということで…今回決まったのは、ソールをマッケイにすることと、アッパーはヌバックに。ライニングは即決のピッグスキンですね笑
気になるblueoverオリジナルの防水レザーとオイルレザーをヌバックにするとどうなるのかは、タンナーさんからのサンプルを待って、次回に続きます!


次回、まだ見ぬヌバックレザーのサンプルをチェックしていきます!

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