fosco大解剖
本ヌメ革を使ったクラフト感のあるサンダル「fosco(フォスコ)」。足入れしやすいスライドタイプは高い通気性を保ち、フットベッドに使用されているヌメ革は嫌な臭いも抑えてくれるので、暑い季節にピッタリの一足となっています。今季はこれまでのスムース革に加えて、ベロアやダブルラッセルといったバリエーションが豊富にリリースされました。そんなフォスコを今回は詳しくご紹介します。
foscoとは
blueoverでフォスコが初めてリリースされたのは、今から10年前の2013年春です。アッパーはベロアを二重にした構造で、フットベットのヌメ革に出し縫いをかけ、アウトソールにビルキーソールを装着しています。履きこむほどにアッパーが足の形になじんでいき、フットベッドのヌメ革が味わい深く変化していくのが特徴でした。
上質なタンニンレザーのスムースモデル
そして2021年、基本デザインは変更せずにディテールを見直し、フォスコは復刻されました。アッパーパターン、底面ゲージ、素材を見直し、従来のものよりもスリムに調整されています。
<左が2013年、右が2021年モデル>
素材はベロアからスムースレザーに変更。このスムースレザーは姫路にある老舗タンナー「山陽」さんから購入したものです。この革はタンニンレザーと呼ばれる革で、植物性タンニンで革を鞣しており、長く履き続けることで味わい深くなるのが特徴です。ですがそのままだと少し硬めであるため、フォスコで使用する際はミリングと呼ばれる加工を施しています。この加工は革の繊維をほぐし、柔らかくする加工であり、そうすることで足入れがソフトになります。
また、タンニンレザーは生産するのに手間がかかり、革一枚あたりの単価が高くなるのですが、ここで使用されている革はタンナーにあった使われなくなった革を利用し、価格を抑えています。アップサイクルとしての側面も持ち合わせています。
復刻モデルとして発売されたこのスムース革を使ったフォスコは、履き始めは少しタイトですが、履きこむほどに履く人の足にフィットし、最終的には抜群の履き心地を生み出してくれます。(なじむまで少々タイトです。)
<商品詳細ページ>
そしてスムースモデルを数シーズン経て、今季リリースされたのが、オリジナルと同じ仕様のベロアモデルと、高い通気性のあるダブルラッセルモデルです。
これら二種の仕様をより詳しく見ていきましょう。
オリジナルの仕様、ベロアモデル
ベロアモデルは2013年に発売されたされたオリジナルと同じ仕様で登場しています。このベロアは、マイキーと同じベロアを使用し、それを二枚重ねてコシを加えました。元がベロアなのでスムースに比べると、履き始めからソフトな足入れ感になっています。足に触れる起毛のタッチ感も心地よい仕様となっています。
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ネオンカラーが映える、ダブルラッセルモデル
スムースやベロアのクラフト感のあるフォスコとは打って変わって、ハイテク感漂うネオンカラーのダブルラッセルを纏った仕様のフォスコもリリースされました。ダブルラッセルはポリエステル糸をローゲージで編み込んで立体感を出した生地のことです。
その中でも通常の生地よりも1ミリ厚い国産のダブルラッセルを使用しているので、しっかりとしたコシが特徴です。さらに、その生地の裏には豚革を張り合わせているので、のびどめ、強度を保っています。これにより、より通気性の高いサンダルが完成しました。
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また、これらの新しいモデルには13ミリのシャークソールが採用されています。カラーもホワイトなので、より軽快な印象を与えてくれます。今シーズンは、これらのモデルに加えて、ブランド初の雪駄である「marso(マルソー)」もリリースされました。夏にぴったりの一足をぜひ選んでいただければと思います。