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TOKYO 12/5-7 | OSAKA 12/19-21

"PHOLUS" special order event

スニーカー最高峰を目指す

この靴は革靴のようですが、私たちはこれをスニーカーと位置づけします。

この靴をスニーカーと呼ぶ理由は、革靴のような硬質なソールでなく、クッション性とグリップ力を備えたスニーカーソールだから。いいえ、それだけではありません。見えないところにも、ブランドが培ったスニーカーづくりの知恵が詰め込まれています。

この靴はスニーカーブランドblueoverが作り上げる最高の一足を追及した物語。

ラストと製法に理念を添えて

最もシンプルで定番とされている外羽根プレーントゥ。この普遍的デザインにおいて、blueoverとしての美しさと機能を追求。思い描くふさわしい姿に納得するまで、幾度も試作を重ねたどり着いた。何十年後も受け継がれることを想像しながらこの靴の姿は生まれた。

01 | PHOLUS feature

履きやすさ、歩きやすさ

私たちは当たり前に”履きやすく、歩きやすい靴”として、この靴がどのような設計であるべきか。ビスポークを源流とした、ジャストフィットを是とする革靴と、量産時代に多数の足に合わせることを主眼としたスニーカー。異なる出自、構造がまみえるとき、その答えをここにひも解く。

履きやすさ、歩きやすさの理由-01

ラスト

マルコラスト < width:E >

靴づくりのすべては、ラスト(靴型)によって決まると言われます。ラストとは、人の足の形を模して作られた、靴の原型。そこにブランドの思想が表れ、履いたときのフィット感を左右します。

革靴、スニーカー、ブーツ──ラストにはそれぞれ専用の設計があります。私たちはスニーカーブランドとして、このフォルスを革靴用ではなく、スニーカーラストから設計しました。そのため、見た目は革靴でありながら、スニーカーであるという所以はここにあります。

ではこのラストが具体的にどのような設計思想で作られているのでしょうか。一般的な革靴のラスト設計と比較しながら説明を進めていきます。

ラストについてより詳しく知りたい方はこちらへ

革靴のシルエット

スニーカーラストを基本設計に、革靴ラストの設計を付与。スニーカーの着用感と革靴のシルエットを併せ持った<WidthE>の設計。

ゆとりあるつま先

前足部は革靴に比べゆったりとした設計。そうすることで指が動かしやすくなり、踏ん張りや圧迫感を抑え、靴内の蒸れを抑制。

浅めのウエスト

内アーチのウエスト(くびれ)はより多くの人に合うよう。革靴ラストにくらべて浅くなっており、リラックスして履けるように設計。

小さめの踵

踵回りは日本人に合わせて、欧米のラストに比べて小ぶりに設計。歩いた時に踵回りがしっかりとついてきます。

履きやすさ、歩きやすさの理由-02

ディティール

スニーカーと革靴のハイブリッドなラストに合わせたパターンや細部。視覚的にはわかりずらいですが、随所にスニーカーの哲学が盛り込まれています。

履き口、スポンジ、インソール。これらはすべてが連動することで機能が発揮されるように設計しています。

履き口

一般的な革靴に比べ、踵の高さは高め、くるぶしの高さは標準。歩行時に靴がついてくるよう設計。

クリアランス設計

ベロと踵履き口上部には5mm程度のスポンジを配置。履くとわずかのクッションが隙間を埋める。

二つの履き味

インソールを配置。しかし取り外しても、着用できるよう設計。革靴とスニーカー両方の履き心地を選択することが可能。

履きやすさ、歩きやすさの理由-03

素材

素材は国内タンナーのレザー、ケミカル材も国産工場を使用。質実剛健なプロダクトの素材を感じさせてくれます。

アッパー

タンナーと作り上げた防水レザーを採用。この革はなめし工程で防水加脂材を加えており、革の繊維質で水をブロック。半永久的に防水機能を保持。

ライニング

靴内は足から発せられる湿気を適切に吸収するために、革本来の性質を活かした銀面に加工が施されていない素上げ材を選定。

インソール

インソールは3mm厚EVAカップソールを配置。適度なクッション性で歩行時の疲れを軽減。

ソール

神戸長田でスニーカーの技術で培われた加工底を採用。クッション性あるEVAシートを裁断、底にラバーを貼り合わせた昔ながらの製法。

02 | PHOLUS feature

伝統と継承

靴は、上部のアッパーと下部のソールを繋ぎ合わせることで完成します。その接合方法にはいくつかありますが、この靴には革靴でも最も工程が複雑とされるグッドイヤーウェルテッド製法を採用しています。古くから本格靴の代名詞とされる製法で、履きなじむまでの時間はかかりますが、手入れを重ねれば長く付き合えるのが特長です。

現在、この製法を扱える国内工場はごくわずか。さらに、スニーカーでグッドイヤーウェルテッドを採用する例はほとんどなく、非常に稀有な存在と言えます。消耗品ではなく、子へ受け継がせるような一足を目指して。

グッドイヤーウェルテッド製法について

  • 構造: アッパー、中底(リブ)、ウェルト、本底とよばれるのパーツで構成。
  • 中底のリブ: 中底には「リブ」と呼ばれる突起があり、このリブとアッパー、ウェルトが縫い合わされます。
  • ウェルト: アッパーと中底(リブ)に縫い付けられ、その後、本底と縫い付けられます。

【メリット】

  • 耐久性: 複雑な構造と頑丈な縫製により、他の製法に比べて耐久性が高い。
  • 履き心地: 中底と本底の間にコルクの詰め物(中物)により、履くほどに足の形に馴染んでフィット感が増す。
  • 修理の容易さ: 本底が磨り減った場合、ウェルトを傷つけることなく本底のみを交換。これにより靴を長く履き続けることが可能。
  • 通気性: コルクの詰め物が吸湿性を持ち、靴内の湿気を吸収・放出するため、通気性が良い。

【デメリット】

  • 製造コスト: 手間と時間がかかるため、他の製法に比べて製造コストが高い。
  • 重量: 構造が複雑でパーツが多いため、他の製法に比べて重い。
  • 硬さ: 最初は革が硬く、履き慣らしに時間がかかる。

履くほどになじむ。時を感じるソール。

中底と本底の間にはコルクシートが入っており、履き込むほどに、中底のベンズと中のコルクが湿気を吸収して履く人の足の形に程よく変形していきます。そうして、自分だけにあったベストな履き心地へとなってゆきます。時間をかけて完成させる一足です。

より防水性の高いウェルト

フォルスで使用されているウェルトの形状は一般的なフラットウェルトと言われるものではなく、片側を漉いて断面をY字にしたスプリットウェルトと呼ばれるウェルトを採用しています。このウェルトは一般的なフラットウェルトに比べて水に対して壁の役割を担っているので、耐水性能に優れています。

BLUEOVER式グッドイヤーウェルテッド製法

blueoverではグッドイヤーウェルテッド製法を採用しながら、スニーカーとしての技術をミックスしています。通常のグッドイヤーウェルテッドは本底に出し抜いを行い完成となりますが、blueoverでは本底に代わって”アイナカ”と呼ばれる床革に出し縫いをします。そのアイナカに対して本底であるユニットソールをセメンテッドで張り合わせて完成としています。

  • メリット
    修理が容易:摩耗する本底とアイナカが接着式なので、摩耗した本底の交換が簡単。※すり減りがアイナカに到達しないことが大事。
  • 軽量化&屈曲性:EVA+ラバーのユニットソールにより、革底より返りがよく軽い履き心地。

※ダイナイトソールに関してはアイナカとソールに出し縫いを掛けたの仕様となります。

03 | PHOLUS feature

国内製靴技術の未来

PHOLUSは日本の製靴産業を長年支えてきた多くの工場、職人によって作られています。靴は様々な地域での分業体系によって作られています。この分業体系はこれまでの国の成長を支えた社会構造でありました。しかし現代のグローバリズムにより国内での分業体系は機能不全を起こしつつあり、多くの工場が多くの課題を抱えながら製靴産業の火を絶やさぬように継続をしています。それぞれの工場の思いと信念によって作られたこの一足は国内製靴技術の結晶ともいえるものと言えます。

作り手の声

工場への質問
①仕事へのこだわり
②これからの靴産業について

─裁断縫製 有限会社阿部裁断所
①一定の基準を満たすだけでなく、クオリティーの差がないように生産をするようにしている。
②国内生産数や販売量が減少する以上に工場、職人さんの数が減少。それにともなってイノベーションに依存しない部分の技術力、生産力が大幅に減少。その部分を産業として見直し、評価を変えていくことが産業の存続に不可欠になってくる。

─ソール加工 藤長化工
①1足1足丁寧につくること。
②海外の安い靴にシェアをとられていますが、一足一足丁寧に作るメーカーさんと組んでやっていけば、この先も仕事ではあるのではないかと考えております。

─底付け加工
①グットイヤ-ウエルト製法による堅牢さと、履き込むほどに足に馴染むフィット感を大切にしています。愛着をもって永く履いていただける靴つくりを目指しております。
②本質的価値を求めるお客様が増えると思います。価格ではなく、付加価値のある修理しながら永く履いていただける靴つくりを目指します。
職人の手仕事でしか出せない風合いや、ひと手間、こだわり履き込むほどに足に馴染む靴つくりを続けていきたいと考えます。

─パターン 株式会社スタジオヨシミ
①依頼をしていただくお客様の意思を尊重しながら、それを作成する方の事を意識して作成するようにしています。
②日本で靴を作る環境が、これからも長く続いていってほしいと思います。その為に、知識や技術の継承に時間を取っていきたいです。

─皮革製造 山陽
①「銀浮きしないような少し締まった革」というのは大きなテーマ。
革に防水機能を付与するために特殊油脂を添加するのですが、その油によって柔らかくなりがちな革をしっかりした状態を保てている部分。
②ヴィーガンレザーブームが落ち着きましたが、革の未来は不透明です。業界では、柔らかい革へのシフト、血筋を避ける傾向が強まり、高品質なスムースレザーは減少。ランドセルも型押しが増加。背景には、食肉需要減による原皮の質低下があるかもしれません。革は食肉の副産物であり、適切なケアで長寿命。エシカル消費との親和性は高いものの、まだ浸透していません。業界全体での啓発は重要ですが、それが売上に繋がるかは不確か。状況は複雑。

─ゴム製造加工 有限会社 ニシイ
①当社は靴底メーカーですが ゴムの練りから成形まで全て自社内で完結させているため 生産管理がしやすく 問題にも即対応できるところが強みです。
②国内の靴産業は衰退の一途をたどっています。要因は複数ありますが このままでは国内で靴が作れなくなる可能性もあると思います。

─中底加工
①1足からでも中底依頼を受けるところ
②フェアトレード|値段を叩いたりせずに、お互いが気持ちよく取引が出来る環境が大事だと思います。

pholus special order event

オーダーイベント

2025年12月に東京青山と大阪本町にてオーダー会を実施。
<納期:2026年3月末予定>

  • デザインは外羽根プレーントゥとUチップの二種。
  • アッパー材は姫路山陽でなめされた防水レザーと傷がつきにくいガラスレザー”スクラッチタフレザー。Horween社クロムエクセルの三種類よりお選びいただけます。
  • ソールはオリジナルユニットソールとダイナイトソール、タンクソールvibram#100の三種類
  • オーダー会ではサイズは22.5~27.5までのハーフピッチからお選びいただけます。

※ダイナイトソール、vibram#100、スクラッチタフレザー、クロムエクセルを選定された場合、それぞれ料金が変動いたします。

東京青山会場 | BO TOKYO

東京都港区南青山5-7-17 小原流会館1F Begin Base

  • 12月5日(金)15:00–20:00
  • 12月6日(土)11:00–20:00
  • 12月7日(日)11:00–20:00

大阪本町会場 | STRUCT

大阪府大阪市西区京町堀2丁目3−4 サンヤマトビル 1階

  • 12月19日(金)12:00–19:00
  • 12月20日(土)12:00–19:00
  • 12月21日(日)12:00–19:00

シューフィッターによるフィッティング

  • 当日はシューフィッターの資格を所有するスタッフがご対応いたします。足入れ感に不安がある方でもお気軽にお越しください。
  • オーダー会ではお客様の足を測定する場合がございます。その場合接客に時間を要するため、前もって予約いただければ優先的にご対応いたします。
  • 来店、測定ご希望の方は下記フォームより希望日、時間帯をご相談ください(第三希望まで)。調整し担当者から連絡いたします。

<ご注意>@docomoや@au、@softbankなどのキャリアメールはご利用いただけませんのでご注意ください。

受注特典

イベント期間中オーダーをいただくと、BOオリジナルシューツリーを付属いたします。

2025年12月5日~7日

BO TOKYO|東京青山

東京都港区南青山5-7-17 小原流会館1F

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2025年12月19日~21日

struct|大阪本町

大阪府大阪市西区京町堀2丁目3−4 サンヤマトビル 1階

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