自然を纏い、心地よさを纏う。ニットブランドyatoポップアップ

秋晴れのさわやかな日が続いております。

11月22日（金）〜24日（日）の3日間、昨年も好評を博したニットブランド〈yato（ヤト）〉のポップアップイベントを今年も開催いたします。

〈yato〉は、徹底した着用試験と厳選した高品質の原料を通じて、長く愛される日常着を提供することを目指しています。ラグジュアリークラスの品質を保ちつつ、工場とお客様を直接つなぐことで、手に取りやすい価格を実現。また、可能な限り無縫製で仕立て、体に優しくフィットするデザインを追求しています。〈yato〉の衣服が、装飾を排したシンプルなデザインで、着る人の個性を引き立てる楽しさも感じていただけると幸いです。

ポップアップでは、カシミヤ100%シリーズのセーターや希少なウルグアイ産ウールを使用したスヌードなど、自然と調和した製品が並びます。また、デザイナー渋谷渉氏も全日在店し、ものづくりや自然との共生に基づくブランド理念を直接お話しいたします。

（写真：山根晋） 

現代のファッションビジネスには、着用試験を省いた開発や、電話・メールだけで完結する取引、セール前提の価格設定、工場への過度なコスト圧迫、集中発注による労働環境の悪化など、数々の課題が潜んでいます。〈yato〉のものづくりは、こうした課題に対応し、300日以上の着用試験を経て品質と着心地にこだわった製品を生み出しています。

〈yato〉では、素肌に触れても快適な高品質の原料を厳選。安価な原料を避けることでラグジュアリークラスの品質を実現しつつ、工場とお客様を直接つなぐ仕組みにより、日常着として手に取りやすい価格帯で提供しています。

製品開発には時間制限を設けず、完成度を高めた定番品のみを展開し、必要に応じた微修正を加えます。B品を除きセール販売は行わず、発注時期の調整と閑散期での正規価格生産を通じて工場の利益も確保。定番品の生産により、工場は新作開発による負担やコストを削減できます。

〈yato〉のものづくりは、厳選した原料、丁寧な生産背景、職人技術を大切にし、装飾を排したシンプルで10年後も色褪せないデザインを追求。無個性なデザインが着る人の個性を引き出し、それぞれの魅力を引き立てる楽しさも提供します。また、可能な限り無縫製にこだわり、包み込むような着心地をお届けします。

 

渋谷渉（ニットデザイナー）

新潟県見附市出身。文化服装学院を卒業後、オーストラリアに滞在。帰国後にニット工場勤務や国内外の羊毛メーカーで経験を積み、2023年1月に〈yato〉を本格始動。

渋谷氏のウルグアイでの「牧場滞在記」や「D&DEPARTMENT」「ほぼ日」でのインタビュー記事もぜひご覧ください。

 

アイテム紹介

カシミヤセーターは、軽さ・柔らかさ・暖かさを兼ね備えた優れた素材ですが、毛玉ができやすいという課題があります。通常、この問題は編み密度を高めて洗いをかけることで対処できますが、その結果、セーターが重く硬くなってしまうことが難点です。

そこで〈yato〉では、10年以上の経験を活かし、軽さ・柔らかさ・暖かさを保ちながら毛玉ができにくい理想のセーターを目指しました。そのために、毎年10月から5月にかけて、同じセーターを毎日着用し、耐久性と快適性を徹底的にテストしています。

カシミヤの優れた通気性により、連続着用でも匂いがつきにくく、素肌に直接着るとその柔らかさと蒸れにくさが実感できます。また、新潟の冬でも十分な保温性を発揮し、300日間の試験後もほとんど毛玉や型崩れが見られませんでした。ただし、インナーにTシャツを着ると、摩擦の影響で脇腹や袖下に毛玉ができやすいため、摩擦の少ない素材を選ぶことが重要です。また、着用開始の最初の1週間は若干のチクチク感があるものの、着続けるうちに繊維が柔らかくなり、不快感は解消されます。

カシミヤ100%シリーズ 

• アイテム：ショール羽織／タートルネックセータ／クルーネックセータ／クルーネックカーディガン（2024年新定番） 
• 素材：中国・内モンゴル産カシミヤ100% 
• 繊維長：36～38㎜ 
• 繊度：15.5μ 
• 生産地：紡績・染色（大阪府泉大津市）、編立（山形県寒河江市） 

カシミヤセーターの難点である毛玉問題に挑み、編み密度と洗い加工を工夫し、軽さ・柔らかさ・暖かさを保ちつつ毛玉を抑えています。10月から5月にかけて300日間の着用試験を実施し、ほとんど毛玉が出ないことが実証されました。連続着用しても臭いが気にならず、素肌に直接着用しても蒸れにくく快適です。 

スヌード 

• 素材：ウルグアイ産ウール100% 
• 繊度：15.5μ 
• 生産地：紡績・染色（大阪府泉大津市）、編立（山形県寒河江市） 

希少なウルグアイ産15.5μウールを使用し、ふんわり軽い肌触りが特徴のスヌードです。柔らかさと防寒性を兼ね備え、バラクラバやニットキャップとしても使用可能。わずか50gと軽量で、型崩れしにくく伸びにくい仕様です。 

アームウォーマ

• 素材: 中国・内モンゴル産カシミヤ100% 
• 繊維長: 32～36㎜ 
• 生産地: 紡績・染色（大阪府泉大津市）、編立（山形県寒河江市） 

カシミヤの柔らかさと耐久性を兼ね備えたアームウォーマー。甘撚りの編み立てと伸びにくい組織で型崩れや毛玉を抑え、手首までしっかり収まります。

ハラマキ（2024年新定番） 

• 素材: ウルグアイ産ウール100% 
• 繊度: 15.5μ 
• 生産地: 紡績・染色（大阪府泉大津市）、編立（山形県寒河江市） 

柔らかい肌触りで腹部を包み込み、チクチク感なく暖かさを提供。セーターのインナーにも最適で、2サイズ展開です。

 

ブランド名の由来

デザイナーの渋谷氏は、2022年3月に新潟の里山にある築150年の古民家へ移住し、自給自足的な生活を始めました。それ以前は都会に住みながら、神奈川県葉山の「谷戸」と呼ばれる田んぼで、アーティスト真砂秀朗氏と共に無肥料・無農薬で米作りに取り組んでいました。この田んぼは耕作放棄地を再生させたもので、三浦半島でも特別な生き物が集まる場所として知られています。田んぼでは、冬至の日に整備を行い、山に感謝を捧げ、湧き水を注ぐことで米作りを開始。このシンプルながら深い自然との共生の過程から、渋谷氏は「欲を出さず、目に見えないものと調和し、活かす」という日本的な価値観の重要性を実感しました。

この経験に基づき、ブランド名〈yato〉は自然との調和や日本の美学に根ざしたものとなりました。〈yato〉は、自然と共に生きるライフスタイルと高品質な衣服づくりへの情熱を表し、日本の伝統的なモノづくりと新たな価値観を融合し、次世代へつなげるプロジェクトです。〈yato〉の衣類が持つ、身体を包み込むような着心地をぜひご体感ください。

INFORMATION

yato ポップアップ at struct  

会期：11月22日（金）〜24日（日） 

時間：12:00〜19:00  

場所：struct 

住所：大阪市西区京町堀２-3-4 サンヤマトビル1F  

※全日デザイナーの渋谷氏が在店