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春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。

夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ、蛍の多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。

秋は夕暮れ。夕日のさして山の端いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛びいそぐさへあはれなり。まいて雁などのつらねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず。

冬はつとめて。雪の降りたるは言ふべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭もて渡るも、いとつきづきし。昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白き灰がちになりてわろし。

春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。

夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ、蛍の多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。

秋は夕暮れ。夕日のさして山の端いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛びいそぐさへあはれなり。まいて雁などのつらねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず。

冬はつとめて。雪の降りたるは言ふべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭もて渡るも、いとつきづきし。昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白き灰がちになりてわろし。

ローカット

思はむ子を法師になしたらむこそ心苦しけれ。ただ木の端などのやうに思ひたるこそ、いといとほしけれ。

精進物のいとあしきを食ひ、寝ぬるをもいとほしがらず、若きは物もゆかしからむ、女などのある所をも、などか忌みたるやうにさしのぞかずもあらむ。

それをもやすからずいふ。まいて験者などはいと苦しげなめり。困じてうち眠れば、「ねぶりをのみして」などと咎めらる。いと所せく、いかに覚ゆらむ。

これは今もあることにやあらむ。いとやすげなり。

思はむ子を法師になしたらむこそ心苦しけれ。ただ木の端などのやうに思ひたるこそ、いといとほしけれ。

精進物のいとあしきを食ひ、寝ぬるをもいとほしがらず、若きは物もゆかしからむ、女などのある所をも、などか忌みたるやうにさしのぞかずもあらむ。

それをもやすからずいふ。まいて験者などはいと苦しげなめり。困じてうち眠れば、「ねぶりをのみして」などと咎めらる。いと所せく、いかに覚ゆらむ。

これは今もあることにやあらむ。いとやすげなり。

ハイカット

大進生昌が家に、宮の出でさせたまふに、東の門は四足になして、それより御輿は入らせたまふ。

北の門より、女房の車どもも、まだ立てられねば入りぬ。屋の門の、小さければ、なかなか立てられず。

筵道しきて下るるに、いとにくくはらだたしけれども、いかがはせむ。殿上人、地下なるも、陣に立ち添ひて見るも、いとねたし。

御前に参りて、ありつるやう啓すれば、笑はせたまふ。

TS(ライトブラウン・ダークブラウン)

うつくしきもの。瓜にかきたるちごの顔。雀の子の、ねず鳴きするにをどり来る。

二つ三つばかりなるちごの、急ぎて這ひ来る道に、いと小さき塵のありけるを目ざとに見つけて、いとをかしげなる指にとらへて、大人ごとに見せたる、いとうつくし。

頭は尼そぎなるちごの、目に髪のおほへるをかきはやらで、うちかたぶきて物など見たるも、うつくし。

大きにはあらぬ殿上童の、装束きたてられてありくもうつくし。